茶道具のひとつである「炭十能」について
茶道具のひとつに数えられる「炭十能」について、歴史や概要、茶道における役割や手入れ・扱い方を解説していきます。
「炭十能」について調べている方は是非参考にしてください。
茶道具の情報
目次
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茶道具の一つ「炭十能」の概要
炭十能とは、オカキやセンバとも呼ばれる炭や灰を運ぶ道具です。
もともとは、十能と呼ばれ、囲炉裏の灰や農具に対して使われていましたが、後に茶道具の一つとして進化し、炭十能が生まれました。
柄杓のような形をしていて、取っての部分が長い鍋のようにもなっているのが特徴ですが、あくまで移動させる道具であって、木炭などを燃やすのには向いていません。
また、茶道具として用いられる炭十能には、台座がセットされている場合が多く、これを台十能と呼ぶ場合があります。
炭十能の歴史
十能と炭十能がいったいいつの時代にどこで誕生したかについて、2020年時点でははっきりと分かっていません。
しかしながら、千利休の高弟である山上宗二が茶道具について執筆した安土桃山時代の書物である山上宗二記には、炭十能と同じ働きをもつ道具について記載されていることから、名称は別にしても原型となったモノが同時代では用いられていたことが判明しています。
また、同時代の中国大陸の王朝である明朝や朝鮮半島の李氏朝鮮の文化において、茶道具ではない十能が使われていたことから、十能自体は東アジア地域で広く定着していたということが事実として挙げられます。
炭十能という名称で、茶道具として文献に登場するのは江戸時代のことです。
江戸時代後期に成立した茶道筌蹄という茶道の概説書には、炭十能とそれに台座がついている台十能が茶道に必要な道具として記載されています。
明治初期の茶式湖月抄にも炭十能は登場しており、この頃にはすっかり定着したようです。
茶道における炭十能の役割
炭十能の役割として挙げられるのは、炭や灰を移動させるという役割です。
炉に炭を入れたり、あるいは熾ったあとの炭を取り除くのにも使用します。
茶道では、火起こしでできた火種を直接運ぶということをすると、火おこし器の性質上、炭が下にこぼれてしまったりして危険な上、茶道の作法から逸脱してしまうので、炭十能の利用は必須です。
炭十能に炭のみならず火おこし器をそのまま入れて運ぶということも、一般的な方法です。
しかしながら、炭十能に炭を入れて火をおこすというやり方だけは絶対にしてはいけないとされています。
炭十能はあくまで、運ぶように作られているので熱伝導があまり優れていない上、火をおこした場合危険性もあります。
もちろんマナーとしても避けることが求められます。
茶道における炭十能の扱い方(作法)
炭十能を扱うにあたって、まず必要なのは運ぶための火種づくりです。
作法としても、火おこし器に火種となる炭を入れ、火がつくまで強火にかけます。
こうした時には、必ず換気をしておくということが強く求められます。
そうして火が熾ったら火鉢に移動させます。
そこで炭十能の出番です。
火おこし器を炭十能に重ねるようにして、火がオチないように工夫して火鉢まで火を運びます。
火を消した後にも炭十能は用いられます。
火を消す際にはたっぷりの灰を使いますが、そうした灰を火鉢に移すとき、または使い終わって捨てるときには炭十能を使います。
完全に火を消す際には、火消し壷が用いられますが、火箸や炭挟みで炭を火消し壷に入れるという方法以外にも、炭十能で移すという方法も広くおこなわれています。
炭十能の手入れ・保管方法
炭十能の手入れというのは、使用されている材質によって異なってきます。
もっともポピュラーである鉄製の場合には、錆びやすくなっているので手入れも重要です。
鉄製ならば、使用した後に軽く拭いたりお湯で汚れを洗い流します。
水分や汚れが残っていると錆びの原因となってしまうので、洗った後はしっかりと拭くことが求められます。
熱伝導率が高い銅製の炭十能も広く使われていますが、銅製の場合は強くこすらないということが重要です。
銅製品は強くこすると緑色に変色してしまうためです。
安価なアルミニウム製では、軽く拭くだけで十分となっています。
炭十能をこう手入れしなければならないという作法は茶道にはないので、次回使う時にキレイな状態で使えるようになっていれば問題ありません。
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