茶道具のひとつである「風炉」について
茶道具のひとつに数えられる「風炉」について、歴史や概要、茶道における役割や手入れ・扱い方を解説していきます。
「風炉」について調べている方は是非参考にしてください。
茶道具の一つ「風炉」の概要
日本の伝統芸能の一つ「茶道」で使われる道具において、風炉は正式名称として「涼炉」もしくは「茶炉」と呼ばれ、茶会の際に抹茶を溶かすために使うお湯を沸かすために使用する「炉」のことです。
風炉には炭を入れる空洞と周りには空気を取り込む空洞が開けられており、その中に火を起こした状態の炭は3本ないし4本を入れます。
開けられている空洞から空気が入ることで、常に炭は火を保ったままの状態でいられます。
その上部に網を置いて、その上に陶器製の湯を沸かす土瓶等を置いて水を沸騰させるのです。
風炉の歴史
「茶道」で使われる風炉は、元々は日本発祥ではなく中国から伝来されたものです。
古来の中国において、茶葉を沸かすときに小型の陶器と土瓶を携帯し、休憩時に炭や枯葉などを入れて燃やして水を沸騰させて使っていた歴史があります。
その携帯お湯沸かし器が日本に伝来したのは、中国との貿易を始めた鎌倉時代です。
伝来品として送られてきた小型の陶器と土瓶は、自然の力をそのまま宿しているような素焼きの技法に心を奪われることで茶人と武将に愛されるようになります。
ただ伝来品は高級品ということもあり、一般には普及せずに茶人や戦国武将が使うだけに限定されたのです。
その一部の茶人と武将だけに限定されていた風炉が一般に普及したのは、徳川家康によって全国統一を果たした江戸時代になります。
この時になると、中国も戦乱の世の中が落ち着きを始めた時期であり、これまで戦争に使っていた余力を文化に使える余裕が生まれたのです。
この時に中国の釉を使った陶器の文化が、日本に伝来し素焼きで作られていた陶器が色鮮やかな形状へと生まれ変わります。
その色鮮やかな陶器は武家が使い、これまで使用していた素焼きの陶器は一般に流通したのです。
茶道における風炉の役割
茶道における風炉の役割としてはお湯を沸かすだけでなく、秋冬限定で暖房器具としての役割を担っているのです。
春から夏になると気温が高くなるので、何も工夫をしないと炭を焚いた部屋では居心地が悪くなってしまうのです。
そこで夏の場合には、炭を入れた後に熱が外の方に出されにくいように金属などで加工して熱気が外に漏れないようにされています。
逆に気温が著しく低下する秋から冬にかけては、部屋全体が寒くなるので温める必要が出ます。
そこで金属でおおわれていない風炉を利用して、その中に炭を入れることによって温めます。
そして土瓶でお湯を沸かすことで乾燥防止にも役に立つことから、冬の暖房器具としても風炉は役に立っています。
茶道における風炉の扱い方(作法)
茶道における風炉の扱い方として、必ず用意してほしいのが常帛紗もしくはハンカチなどの布です。
風炉はとても繊細な道具であり、手垢や手汗がついてしまうと表面がさびてしまいます。
そのためよほどのことがない限りは手で触ることを禁じ、手で持つための専用の常帛紗もしくはハンカチを用意して持ち運びをすることが大事です。
火を起こすときには炭だけにしたほうがよく、火を起こす便利グッズとして炭を加工した練炭やガスで火をともすタイプもあります。
風炉の場合だと化学変化によって、硫黄のようなにおいを発生させる場合があるので避けたほうが無難になります。
使用した後の風炉は、そのままにしておくと錆びてしまうので冷めたらすぐに水で洗い流します。
水で洗い流した後は炭の余熱で余分な水分を飛ばした後に、風通しの良い場所で完全乾燥させるとよいです。
風炉の手入れ・保管方法
水で洗い流した後は炭の余熱で余分な水分を飛ばした後に、残っている灰はすべて取り除きます。
これは灰は部屋の湿気を吸い込んでしまうため、そのままにしておくと錆びの原因になるからです。
そして炭を取り除いてきれいになったら、水分を吸着しやすい桐製の専用の箱を用意します。
そのまま詰めてしまうと、6月から7月の梅雨の時期の湿気でさびがついてしまう恐れがあるので、風炉全体にきれいな布で覆って湿気が表面につかないようにします。
そして保管するときには、必ず風通しがよく乾燥した場所を選んで置いておきます。
これらの手順を踏んでもさびや汚れが付着してしまったときには、知識がない人間が作業をすると悪化させる恐れがあるので専門に依頼するのが安全です。
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