茶道具のひとつである「風炉先屏風」について
茶道具のひとつに数えられる「風炉先屏風」について、歴史や概要、茶道における役割や手入れ・扱い方を解説していきます。
「風炉先屏風」について調べている方は是非参考にしてください。
茶道具の情報
目次
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茶道具の一つ「風炉先屏風」の概要
風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)とは、お茶をたてる席で使われる道具で、二つ折りで高さは50~70cmほどの低い高さの屏風です。
お茶をたてる際の道具畳(お茶をたてる道具をおく部分)の向こう側にたてて、風炉(5月~10月に使う炉というお湯をいれるもの)やその他の道具を守る役割と、亭主(お茶をたてる人)がお茶をたてる場や、茶室全体の雰囲気を引き締める役割があります。
必ずお茶の席で使われるものではなく、4帖半以上の広い席で基本的に使われます。
風炉先屏風の歴史
屏風の歴史は古く、奈良時代に中国から伝来しました。
日本書紀に、天武天皇の時代に屏風が新羅からの贈り物の一つとして、初めて記されています。
その後、平安時代には貴族の寝殿造りの住まいに、屏風が数多く登場しています。
その後、書院造の発達とともに日本画が発展し、屏風や建物の扉にも描かれるようになります。
そして風炉先屏風の誕生も、書院造りの発達した室町時代といわれています。
室町時代には貴族の住まいも書院造が主流になり、茶会が書院造の間で開かれるようになりました。
台子(お茶の道具をのせる台)を足利義政の時代に村田珠光が取り入れ、書院式の茶会に台子を使う方式を確立しました。
そのあたりから、台子とともに風炉先屏風が誕生し、使われるようになったようです。
現在の風炉先屏風は利休形と呼ばれる形で、流派により若干の差はありますが、横は3尺一分(93,3cm)、高さは2尺4寸(72,7cm)、ふちが5分(1,5cm)で2枚折り畳む形のものが主流となっています。
茶道における風炉先屏風の役割
茶道において風炉先屏風は、風炉というお茶をたてるためのお湯が入った炉の先におく屏風です。
道具を風などから守る役割と、風炉先屏風を背景としておくことで、お茶の道具が引き立つ役割、また広い部屋を分けることで、茶室の間を引き締めるという役割もあります。
そのため屏風というと現代では金箔のものがおめでたい席で使われることもあり、きらびやかなものをイメージする方が多いかもしれませんが、風炉先屏風は道具を引き立てるための役割があるので、シンプルな風合いのものが多いのです。
それでも季節ごとに使い分けるような絵柄や、板でできたもので草の模様などの透かし彫りが施されているものがあり、風情を感じるお茶道具の一つになっています。
茶道における風炉先屏風の扱い方(作法)
4帖半以上の広い茶室を「広間」、それ以下の小さい茶室を「小間」といいますが、風炉先屏風は広間で基本的に使います。
しかし道具を守る役割があるため、小間でも道具畳が襖、障子に接している場合には襖などを開け閉めしたときに風が入り道具が倒れて壊れてしまうのを防ぐために、設置されることがあります。
広間、小間のどちらにおくにせよ、道具畳の後ろに設置します。
しかし茶室の中には「風炉先窓」や「色紙窓」がついている部屋があります。
風炉先窓とは、亭主がお茶をたてる際に、光をいれて手元を見やすくするために作られた窓のことをいい、色紙窓とは上下で中心をずらしてつけられた窓のことです。
この風炉先窓や色紙窓がついている茶室の場合には、風炉先屏風をおくと光をさえぎってしまうので設置しません。
風炉先屏風の手入れ・保管方法
風炉先屏風を使用した後には、毛足の長いブラシなどでほこりを優しく取り除きましょう。
汚れが気になるときは、掃除用洗剤などは使用せず、かたく絞った布で優しく拭くか、からぶきをしてください。
その後よく乾燥させてから、付属の桐箱にしまうようにしましょう。
専用の箱がない場合は、プラスチック製の箱か段ボールでもよいので、適当な大きさの箱を用意してしまうようにして下さい。
風炉先屏風は一般的に価値の高いものが多いので、虫食いや、かび、誤って倒して破損するようなことをさけるためにも保管には気をつけたいものです。
あまり使用する機会がない場合でも、天気の良く湿度が低い日には、屏風を外に出して状態を確認しつつ陰干しし、カビが生えないようにしてください。
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