骨董品の定義は意外と複雑?

骨董品という言葉の意味は多くの人がご存知ですが、「骨董品の定義は?」と聞くとほとんどの人が悩みます。
このページでは意外と複雑な「骨董品の定義」について徹底的に解説していきます。
「骨董品の定義」について調べている方は是非参考にしてください。
「骨董品」に「定義」はあるのか?

例えば、目の前に100年前に使われていたという磁器の茶碗があったとして、それは現在を生きる私達にとってどんな価値を持ちうるでしょうか?
ひび割れに茶渋が染み込み、磁器の白い肌に茶色い線が目立ちます。
単なる生活の道具としてならば、もっと新しく使い勝手の良い品物がいくらでも手に入ることは明らかです。
丁寧な絵付けが施された茶碗は「超」の付くほどの高級品ではないようですが、元の持ち主も気に入って大切に使っていたのではないかとあなたの想像は膨らみます。
自分がお茶を飲むための新しいカップを探しているのならば、この100年前の茶碗を選ぶことはないかもしれません。
しかし、このほとんど実用的ではない古びた茶碗はあなたの心を捕らえるいわく言いがたい魅力を放っているように感じられます。
あなたはその茶碗を「懐が痛まない程度の、しかしただの割れた茶碗に出すには高い」くらいの値段で買って帰り、部屋の飾り棚に飾ることにしました。この茶碗は骨董品と呼べるでしょうか。
さて、「骨董品」とは洋の東西を問わず古美術品や古道具類のことで、「アンティーク(antique)」というフランス語が使われることも多くなってきました。
骨董品については「100年以上前に作られたもの」という定義が一般的に根付いています。
これは19世紀のアメリカで決められた基準で、その後WTO(世界貿易機関)やGATT(関税と貿易に関する一般協定)で採用されるに至って国際的な基準となりました。
しかしこの基準は“製造から100年を経た製品には関税をかけないことにしよう”という国と国とのビジネスのルールを補完するための定義であり、非常に事務的な必要性に迫られて設定された定義とも言えます。
一方、骨董品を扱う現場でこの100年ルールが厳格に作用しているかというと、そうとは限りません。
100年という「事務的な定義」から漏れていても骨董品と呼ぶにふさわしい物が多々あるのです。
「骨董については明確な定義はない」という人もいるほど、骨董品の定義とは考えれば考えるほど、不確かなものになってしまいます。
何が「骨董品」と呼ばれているのか

骨董品とは「古いだけで役に立たないもの」という皮肉な表現として使われることもありますが、WTOなどの定義とは無関係にすると一般的に「古くて価値のある品物」だと言うことが出来るでしょう。
同じような言葉には「古美術」や「古民具」、「古道具」などが挙げられますが、中でも「古美術」はより美術的な価値の高い品物であり、特に来歴を辿れるような品物を指します。
「名工某の作で、某家に代々伝わってきた刀」のように作者や何代も遡った持ち主がはっきりしているような品物がそう呼ばれることが多いのも特徴の一つかもしれません。
また、逆に古民具はかつて庶民が日常的に使用していた道具類の総称で、作者も実際に使用していた人物も皆、名前など伝わっていないことが一般的です。
今では使用されることのなくなった古い農具や日用品などが古民具と呼ばれます。
骨董品はこの中間、もしくはどちらも含めた使い方をされる場合もあり、非常に広いジャンルを扱う言葉と言えます。
また最近では骨董品と同じ意味でのアンティークという表記をよく目にします。更にはアンティークという言葉と同じように古くて価値のあるものを表す言葉として「ヴィンテージ(vintage)」という表現も増えてきました。
もともとはワインの“当たり年”を意味する単語のヴィンテージですが、アンティークより新しい物を指して使われるとされています。
とはいえ、欧米の古い家具などの取引現場では1920~1940年代の家具を「アンティーク」と表記することが通例であり、一方現存する最古のジーンズは1840年代に製作されたものと鑑定されていますがアンティークとは呼ばれず“ヴィンテージジーンズ”と呼ばれています。
こうした事から、欧米諸国でも「アンティーク」という言葉の意味するところは一定ではない事が分かります。
「骨董品」の定義とは?

より混沌としてきた骨董品の定義ですが、「古くて価値のある『骨董品』と呼ぶに相応しい品」とは何を基準に決めているのでしょうか。
骨董品を愛好する人々は骨董品のどこに価値を見いだすのでしょう。
それは、その品物が作られた時代の情報が読み取れるか否か、です。
作られた当時特有の技術や素材、当時好まれた様式、製作されるに至った背景、といった歴史が読み取れる品が、ただの古道具ではなく「骨董品」として尊ばれるのです。
基本的には相場はあっても定価の存在しない骨董品の世界ですが、時に驚くような値段がつくことがあります。
そういった品物は年代の古さと言うよりも、希少性、つまり現代では複製することが難しい素材や技法によって作られていること、そして保存状態の良さや市場での需要の高さによって莫大な価値が生み出されることが大半です。
もちろん高額で取引されたり、博物館に展示されるような条件を全て満たしてはいなくとも、愛すべき骨董品はたくさんあり、どこに価値を見いだすかは選ぶ人の感性次第というところです。
まとめると「骨董品の定義」とは「おおよそ100年から数10年以上前に作られた品物で、その品物から作られた時代の情報を読み解くことができるもの」と言うことが言えるでしょう。
PS.かつて、一番最初に見つけた磁器の茶碗は明治期の有田焼だという事がわかりました。
しかし、更に調べてみると当時は“有田焼”と呼ばれていたものの現在ではある事件をきっかけに“波佐見焼”として有田焼とは区別されている焼き物であることもわかりました。
この発見された磁器茶碗はさほどの珍品とは呼べなく、保存状態もベストとは言えない茶碗ですが、思いもかけずあなたを日本の磁器の歴史の一端を知る旅へと導き、生活に潤いをもたらしてくれました。
こういった事が「非常に幸せな骨董品との出会い」だと言えるでしょう。
骨董品関連コラムはこちら
骨董品・古美術品のおすすめ買取業者は?

当サイトでは実体験を基におすすめの骨董品・古美術の買取業者を紹介していますので、買取を希望している方は参考にしてください。
また、骨董品・古美術品に関する無料相談や無料査定サービスも行っている業者ですので、骨董品の価値を知りたい際にもおすすめの買取業者ですよ
-
福ちゃん
福ちゃんは中尾彬さんと池波志乃さんが広告塔を務めるてるのが印象的。福ちゃんは総合買取業者ですが、骨董品買取には専門的に力を入れており、総合買取業者としての強みを活かしたイチオシ買取業者です。
-
日晃堂
日晃堂は骨董品と食器を専門的に買取している買取業者です。骨董品の幅広い種類に応じて専門的に見れる査定士を揃え、世界に広げている販路が強みで、骨董品買取では特におすすめしている買取業者です。
種類別で紹介!骨董品の買取情報

当サイトは骨董品を始めとした作家に関する買取情報以外にも、幅広い骨董品の買取相場や詳細情報をご紹介しています。
-
茶道具
-
掛け軸買取
-
屏風買取
-
絵画買取
-
刀剣買取
-
象牙買取
-
珊瑚買取
-
中国骨董買取
-
西洋骨董買取
-
香木買取
-
翡翠買取
-
ドール買取
-
古切手買取
-
陶器買取
-
古銭買取
-
書道具買取
-
古書買取
-
古道具買取
-
勲章買取
-
アンティーク家具買取
-
和楽器買取
-
仏像買取
※骨董品買取業者は「古くて価値があれば基本買取してもらえます」ので、上記以外の骨董品も買取してもらう事も可能です。